さよならは意外と簡単

ひと月ほど前、距離を置いている幼馴染から頻繁に長文日記と飼い猫の写真を私個人のLINE宛に送られていた。

猫はかわいいが他人のLINE宛にアルバム作って猫や日記を送りつける意味はよく分からない。

多分彼女は結婚前の私とのように、たまに会って話したりLINEしたりの関係に戻そうとしていたのだと思う。

ツイッターでも私のアカウントを3つの副垢でフォローして私のツイートに二重にお気に入りをつけたりしている。使い方は個人の自由なので何も言わないが、正直嬉しくはないし困惑している。

私は別に彼女のことが嫌いになったわけではない。

ただ、私の心配を２年間反故にされ続けて疲れてしまったので、距離を置きたいだけだ。本人にもそう言ったが伝わっていないのだろう。

今でこそ健康だが、数年前の彼女は原因不明のアレルギーで救急搬送されるのを2年ほど繰り返していた。とても心配だったし、今も突然倒れるのではと心配している。

突然アレルギー体質になる直前から突然発症しなくなるまでの２年の間に、彼女がずっとやっていたことがある。

野良猫への餌やりと、自宅内に野良猫を上げることだ。

私は元々飼う気もないのに野良に餌だけやる人間は無責任で嫌いだ。一生餌やりする覚悟があるならともかく、気分の乗った時だけ餌をやって排泄物も繁殖も病気も面倒な部分は知らないフリなんて無責任だと思っている。生き物を飼うってことは命に責任を持つってことだ。

だから口を酸っぱくして「餌をやるなら保護して飼い猫にするつもりでやって」「野良猫に引っ掻かれたりノミダニで病気になる人もいるから家には上げない方がいい」と言い続けた。

ただでさえアレルギーで死にかけた人が野良猫を家に上げるのは危ないから。保護して飼い猫にしてしまった方が彼女も猫も安全だから。嫌われたくないし言いたくなかったけど、彼女に死んで欲しくなかったから言い続けた。

彼女は鬱陶しがって私を遠ざけ「ペットを既に飼ってる人には分からない」「あなたが猫アレルギーだから羨ましいんでしょ」と言った。

悲しかった。私が意地悪で言ってると思ったんだろうか。

私が猫アレルギーなのも関係ない、そもそも私は重度の犬好きだ（でも野良犬を撫でたり餌やりはしないよ…病気あったら大変だし…）。

彼女は私の忠告を無視して家に野良猫を上げて餌をやり続け、何度も救急搬送され、「贔屓にしてた野良猫が食べに来なくなった」と言った少し後に、違う野良猫を保護して病院で診てもらった後に飼い猫にした。

これが約２年間の話。

今はもう野良猫に餌をやっていないし、家にも上げていないし、救急搬送もぱったりとされなくなった。

やっぱり野良猫が救急搬送の一因なんじゃないか。私は今もそう思っている。

彼女はそうは思っていないのだろう。

私を遠ざけたことや拒絶したことなど無かったように、私宛のLINEに飼い猫の写真を送ってくるし連絡も頻繁に来る。既読スルーかスタンプ一つで返事している。

実際（いつまでも野良猫の件を根に持ってるのもな…今は元気なんだし…）と思い、復縁しようと思って会う約束をしたことがある。

しかし約束当日、彼女は「体調が悪い」と言ってドタキャンした。

体調なら仕方ないな…と思ったが、その翌日に彼女はコスプレの撮影会にカメラで参加していた。

数ヶ月前からの約束（しかも彼女から誘ってきて、「あなたの新居に行きたい」と言ったから旦那にも外出してもらうよう頼んで用意していた）よりも、コスプレかぁ…………。

なんかもう無理だな。と、その時に何かが折れてしまった。

心配を２年間鬱陶しがられ、約束も反故にされ、なんで私が彼女のために自分の心のリソースを割かねばいけないのか。

ただ心配で死んで欲しくなくて嫌がられても言い続けた。問題点は実際合っていた。見返りは求めてなかったし私が勝手にしたことだけど、ただただ疲れてしまった。

あの時は遠ざけてごめんね、の一言でもあれば違ったのかもしれない。でもそんな発言は無かった。彼女は何一つ悪いとは思っていないのだから。

もしまた同じ状況になっても、一回くらいは忠告すると思う。死んで欲しくないから。

でも以前と同じような態度も心配もきっと二度と出来ない。

距離を置きたいことは伝えたが連絡頻度を見るに全く伝わっていないようだし、彼女は時間が経ったからもう解決したと思っているのかもしれない。正直やめてほしい。

彼女への罪悪感も多少あるが、こんなにも家族以外の他人に対して気持ちが冷めたのは初めてだったので驚いている。

彼女は「私はＢ型で自分勝手だから」と言うが、個人の性格と社会性の問題としか思えないし、Ｂ型を言い訳にするのは他のＢ型の人に失礼ではないのか。私はＯ型だが、旦那も他の友人もほとんどＢ型だ。何故偏ってるのかは分からないが、Ｂ型が自分勝手だと思ったことはない。血液型なんて関係なく一個人の話でしかない。

血液型やら病気やら育ちやらは、一考する理由にはなれど、自らの行為の盾にするものではないと私は思う。

私が彼女に耳に痛い忠告をすることはもう無いが、もし同じことをする人がいたなら、その人のことは大事にしてあげてほしいと思う。

もし私が同じ状況になったら、拒絶せず聞き入れるようにしたい。

友達って作るのは難しいのに、お別れするのは意外と簡単で寂しい。

いつか流せる日が来るんだろうか。

私は私のために彼女と距離を置くけれど、嫌いになったわけではないから、そうなればいいなと思う。

少なくともまだ数年しか経ってない今は無理…わたしは根に持つタイプだから…